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「彼はね、とても強いライブレスなの。譲り物なんだけど、とても賢くて人思いで礼儀正しくて家事もできて、何より人間っぽい。きっと仲良くなれる」
「いらない、って言ってもダメ?」
「うん。……実はこのライブレスは訳あって居場所を求めていて、彼の新しい主人を探している所らしいの。そこで今ライブレスを飼っていないさっくんに……」
「……僕は保健所じゃないんだけどな」
何を理由にしても、棄てられたり主人を亡くしたりして、存在意義の無くなったライブレスは、いずれ特殊警察に捕まって殺処分されてしまう。
もちろんそれを防ぐ保健所もあるのだが、まるでそれを請け負わされる気分だ。
「……僕がちゃんと飼うかは分からないけど、いいの?」
「うん。試しに、でいいから」
「分かった。とりあえず会わせてくれ」
もう対面は不可避なようだ。
「ありがとう。さ、おいで、アリン」
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