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あまりの眩しさに、目を細める。
脳と身体の神経が、まだ一致していないのか。
蓐(しとね)が、揺れているような気がした。
“目眩…か?”
と、彼は思った。
土埃の臭いが、鼻についた。
周囲から伝わる、人々のざわめき。馬の嘶きや、牛の鳴き声。それらは一緒くたになり、神経の隅々にまで染み渡ってくる。力が、漲ってくるようだった。
視界が、明確になり始めた。
室内のよう…では、ある。が、やけに狭い。彼は、四角い箱形のような室の、床の上に寝かされていた。
“…ここは、…どこだ?…”
何気なく周囲を見回した彼は、ギョッとなった。
薄闇の中に、うっすらと人影が見える。それも、ふたり。
1人は、成人男性だろうか?もう一方は、少年のようだった。
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