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さらに、材料が得やすい網代車。
加工や彩色も多様性可能で、工夫次第では、高品位な牛車となる。
牛車のなかでは、最高級の仕様が施された、唐庇車(からびさしのくるま)。またの名を、唐車(からぐるま)と言う。
乗降には、榻(しじ)ではなく、短い梯子を使った。
褻(け)(日常や私用)の時に広く利用された、八葉車(はちようのくるま)もある。
網代の車箱に、八葉紋(九曜星)をつけたことから、名付けられたらしい。
飾り立てた風流車。
網代車に雨の降り込みを防ぎ、居住性を高めた庇車(ひのぐるま)。
屋形の前後の軒が、弓を伏せたような唐破風として、庇を作った雨眉車(あままゆのくるま)。
文車(もんのくるま)と言って、網代車などの棟・袖・物見の上に、文様を散らしたもの。
車箱は網代で、物見が半蔀(はじとみ)になった、半蔀車など、多種多様だ。
助光は、牛車の心地よい音に耳を傾けた。
車輪が軋みもしないのは、潤滑油を注しているからだろう。
優雅な乗り物である牛車での外出。それだけで、高い身分の証左だったのである。
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