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『その犬はその急な階段の下にある家の人に飼われたよ
そして母さん達が遊んでるのを見てたんだって
あの頃は楽しかったって言ってるよ』
そんな息子の話が終わると
その犬は これで自分の役目は終りだと言い
私から去って行きました
なぜだか私は涙が流れ止まらなかった
『あの犬は いつかは去らなければいけなかったんだよ だから、さよならの前に 自分の存在を教えたかったんだよ』
私はとっくに忘れていたのに…
動物とはいえ拾ってくれた事をそこまで…
その後
息子の車で私の育った地元へと行った
もう少しであのお宮だって思ってたら
ちょうどそこで車を止め
『ここだよ この石段だよ!ここを登った左側だよ』
私は車から降りずに
一人納得して家路につきました
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