第1話

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『その犬はその急な階段の下にある家の人に飼われたよ そして母さん達が遊んでるのを見てたんだって あの頃は楽しかったって言ってるよ』 そんな息子の話が終わると その犬は これで自分の役目は終りだと言い 私から去って行きました なぜだか私は涙が流れ止まらなかった 『あの犬は いつかは去らなければいけなかったんだよ だから、さよならの前に 自分の存在を教えたかったんだよ』 私はとっくに忘れていたのに… 動物とはいえ拾ってくれた事をそこまで… その後 息子の車で私の育った地元へと行った もう少しであのお宮だって思ってたら ちょうどそこで車を止め 『ここだよ この石段だよ!ここを登った左側だよ』 私は車から降りずに 一人納得して家路につきました
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