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人だかりの中心にいる人物が叫んでいる。
『俺がレア職業の【勇者】を引き当てた、泉恵司だ。
このイベントが終わった後でパーティーメンバーを四人募集する!
ゲームクリアに一番近い【勇者】と組みたいやつは終了後出口で待っていてくれ。
もちろんレア度★3以下の雑魚はいらないからな』
嫌な奴だとは思っていたが、レア職業を手に入れたことでさらに嫌な奴になっているな。
関わりたくないので、この場を離れよう。
『鷹山じゃないか? 佐藤も西条も一緒か?』
あー・・・・・・見つかっちまった。
泉は人をかき分け近寄りながら話し掛けてきた。
『お前ら三人で組んでるのか。単細胞馬鹿の神田は一緒じゃないのか?』
泉のおっしゃる通り単細胞馬鹿な修司だが、コイツに言われると無性に腹が立つ。
そんなオレの気持ちを察してか哲二が耳元で囁(ささや)く。
「相手にするなよ。なるべく目立ちたくない」
この状況はすでに目立っていると思うが、黙って頷(うなず)いた。
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