イベント

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「ほら、美咲行こう」 美咲をなだめながら、泉達とは離れた場所の席についた。 イベント会場は、中央ステージをコの字型に客席が囲う形だ。ステージ奥には巨大スクリーンがあり、【Kill Time】と表示されている。 イベント開始を着席して待っていると後ろから声をかけられた。 『蓮、さっきは凄かったなー。西条さんチョー格好よかった!』 長めの髪を後ろで束ねたこの男は佐伯だ。 「久しぶりだな佐伯!」 話をよく聞くと、職業選択で鍛冶屋になった途端、泉に捨てられたらしい。 あいつらしいやり方だ。 「佐伯、今後どうすんだ?」 『鍛冶屋をやっていくしかないんだけど、宿屋みたいに組合がなくてさ。資金がなくて困っているんだよね。 このイベントで一攫千金狙って駄目なら、ちょっと危険だけど隣町まで行ってギルドで仕事探そうかな』 ギルドとは様々なミッションを紹介してくれる場所らしい。 「大変だな。オレ達も近いうちに隣町に行くから、その時は一緒にいこうぜ」 『そりゃ助かるよ、道中は頑張って下撲になる!』 振り返った美咲から、冷たい視線を浴びせられた佐伯は口を押さえて目を丸くした。
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