イベント

25/34
前へ
/34ページ
次へ
『只今、ステージ全体を結界で覆いました。会場からのスキルやアイテム等一切無効となります』 美咲のスキルが無効になるかと思ったがHPバーが見えたままだ。結界前だったから間に合ったのか。 巨大スクリーンに目をやると、カウントダウンが開始されている。 いよいよだな。 平常心のつもりだが柄を握る手は汗で濡れていた。     3     2     1 『それでは試合開始!』 刀を鞘から抜く。しょっぱなからスキル全開で行くぞ。 【命懸け】発動。 体中から、赤い湯気が立ち上り、爪先から頭、刀さえも包み込む。全身に力がみなぎり全てが軽く感じる。 相手は余裕からなのか、不適な笑みを浮かべ、グレートソードを肩に担いでいる。 オレはフェイントもなく一直線に斬りかかった。 振り下ろされるグレートソードよりも、数段速く懐に入り込み斬りつける。 ――!! なんだこの手応え。防御力の高さからなのか、鎧などない剥(む)き出しの腹部が鉄を切っているような固さ。 遅れて振り下ろされた大剣の剣圧を感じる。 更に追撃を左腿(もも)に加えるが似たような手応え。 右側から、振り下ろされたグレートソードが今度は横から薙ぎ払われてきた。 ――――遅い! 軽く跳び上がりながら、回避と同時に相手の後ろ肩口に刀を突き立てた。 初撃よりは手応えを感じたが、相手のHPバーは1/10も減っていない。 一旦、バックステップをして距離をとった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

169人が本棚に入れています
本棚に追加