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──深夜
影山の目的は、暇潰し。
暇潰しという事は、この世界を観て楽しんでいる筈だ。
オレだったら……もし自分がゲームを作り、その中に同じ世界をいくつも創ったのなら……
三つのアイテム。赤い首輪、龍の楯、そして未だ手掛かりすら不明な品。
様々な思考が頭の中を巡る。
ベッドに入って二時間近くが経過していた。
「駄目だ。頭が冴えて眠れない……」
ベッドから起き上がり、カーテンを開けると、くっきりとした満月が輝いている。
その周りをとり囲むのは造り物とは思えないほどの星空。
少し遠くの森に目をやると、所々明るくなっている。時折、閃光や火柱が立ち上った。
恐らくプレイヤーが敵と戦っているのだろう。
再び夜空に視線を戻す。
――!!
――蛇?
いや龍だ。
丁度、オレと月との間に龍が入った。そのシルエットから、龍の上に座っている人物が確認できる。
三角錐の頂点に丸い球のような形をした帽子が目立っていた。
なんなんだアレは……
龍を目で追うが、数秒で見えなくなっていった。
もしかしたら龍の楯と関係があるのか? そうだ龍が消えた方角には隣町がある。
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