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「まだ鑑定できるよ」
佐伯はPDAを操作する。
どうやら鍛冶屋の職業には、その素材で何が作成できるか検索できる能力があるらしい。
「これかな……うわぁ、道のりは長いかも」
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【龍王の楯】
主材料:龍王の逆鱗
作成Lv:Lv540.
その他:116種480個
その他材料一覧を開きますか?
【Yes/No】
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作成Lvが540ってのは、戦えない佐伯にとって相当厳しいな。それに材料が480個というのも気が遠くなる数字だ。
佐伯は、お手上げという意味なのか、両手を後ろに反らせながら背筋をストレッチしている。
「僕がこのLvまで上げるには一体何個の武器や防具を作ればいいのか考えただけでも……イヤァー、助けて蓮ちゃん!」
わざとらしく怖がりだした佐伯はオレの肩をさすりだした。
――まさか、狙われている?
ん? 武器? 防具? 作成?
佐伯の言葉に違和感を覚えた。
「ちょっと待って佐伯。Lv上げるのに敵を倒さなくてもいいのか?」
「だって戦えないもん。鍛冶屋とか武器屋とか宿屋もそうだと思うけど、その職業の本業? をすると経験が入るよ。
武器屋だったら、武器を売ればいいし。宿屋だったら人を泊めれば経験値は貯まるよ。
鍛冶屋の場合は、依頼されたアイテムの材料を集めて、武器、防具、道具を作れば経験が増える。
その作成するアイテムのレア度によって獲得できる経験は違うみたいだよ」
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