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再び会場が暗くなり、ステージ上にスポットライトが当たった。
次の対戦が表示されている巨大スクリーン。
『それでは、第三試合を開始いた……』
突如、スポットライトが消え会場はスクリーンの明かりのみとなった。
その巨大な画面に異変が。
電波障害の様に映像が乱れた。
ガガ……ガ……ガガガ……
スピーカーからのハウリング音が刺さる様に鳴り響く。
画面には、ここではない何処 (どこ)か違う場所の黒い空間にパイプ椅子に腰かけた白髪の老人が映し出されていた。
「これ、映って……ああ、そう。間に合っているかね? 何番目? そう。わかったわかった」
カメラの向こう側の誰かと話をしているようだった。。
美咲がボソッと呟(つぶや)く。
「――影山教授よ」
この老人が、この悪魔のゲームの元凶?
「えー、諸君聞こえているかね。
私の名前は、影山だ。この素晴らしいゲームの監修をしている。
イベントの途中失礼するよ。だが、イベントはこれで中止にしよう。
諸君の世界は進行が遅れていてね。もうちょっと頑張ってくれないと遺憾(いかん)ねぇ。
イベント中止のお詫びとして、情報をやろう。
まず、このゲームに関してだ。諸君は、この異世界から現実世界に戻るにはゲームを攻略しなくてはならない。
それ以外に絶対に戻る方法はない。
そしてこのゲーム内で死亡すると、現実世界には戻れない。
ああ。救出ボーナスがあったね。クリアした者のPDAにデータがあれば、一度死亡しても現実世界に戻れる。
そして、ゲーム攻略には三つのアイテムが不可欠だ。その三つを持って、ある場所に行けば、最終ステージに招待しよう。
最期に、一つだけアイテム名を教えよう。それは"龍の楯"だ。確か楯の中では最強ランクのアイテムだったかな。
それでは、もっと危機感をもって頑張ってくれよ。楽しみにしている」
影山は立ち上がり、画面から外れた。音声のみがまだ聞こえている。
「終わったぞ。じゃあ次は……うんうん。あと
――ブツッ!!
突然、通信は切断された。
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