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「警戒範囲後方からプレイヤーが接近してくるよ。
……五人。
たまたま僕達の近くにいたのかもしれないから、少し早歩きして様子をみよう」
嫌な予感が頭をよぎる。
いつかこんな日が来ると覚悟していたはずだが。
全員の緊張が伝わってくる。
歩幅を大きく取り、スピードをさらにあげた。
スキル【警戒】によって哲二だけが現在の状況を把握している。
「やばいかも。二手に分かれて真っ直ぐこっちに向かってくる!
もう200m範囲内にまで侵入。
プレイヤーキラーの可能性が高い。
戦闘準備だっ!」
――戦慄が走る
すでに命が奪われるゲームだと周知されている。相手はそれが解っていて襲ってくるんだ。
「僕と柚葉さんで佐伯守るから!
右側から三人、左から二人。
あと100m!」
人数の多い右側に美咲と修司が向かう、やや後方にオレが位置する。
――ドガァァァァ!!
オレの背後に異変を感じる。振り向くと、地響きと同時に土が盛り上がり、一気に10m位までの高さの壁になった。
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