都市ラストア

24/31
前へ
/39ページ
次へ
――ピシッ!! いきなり足元で鞭(むち)を鳴らしたショートカットの女は歪んだ笑顔を浮かべている。 『あはっ。君達早く死んでスキル頂戴よ。最近ハズレばっかりなのよー』 コイツらプレイヤーを狩ることに相当慣れているな。 後方の壁をチラッと確認する。 人数的にも不利な状況。スキルを使われる前に一人でも減らしたい。 分断されてから一分。 ――そろそろだ。 【命懸け】発動。 赤いオーラが身体から立ち上る… 「提案がある。こっちの女が持っているレアアイテムを渡す。だから見逃してくれ」 敵の注意を引き付ける為にアイテムを引き合いに出す。 それにレアアイテム所持者を殺してしまえば、それを獲得できる確率が大幅に下がる。敵も迂闊(うかつ)には美咲に手を出さないだろう。 『おい、お前なんだその赤い湯気は!スキル使いやがったな!』 スキルの使用が敵にバレる。 ――計算通り。 ゆっくりと左腕を挙げ天を指す。 『キャッ!? 何あれ?』 鞭使いの女が頭上の異変に気がついた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

530人が本棚に入れています
本棚に追加