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首を切り落とす一連の動作が、まるでビデオのコマ送りのように何度も目に焼き付いた。
乱れる呼吸と意識。
オレは……
また人を殺した。
――二人目だ。
やる必要のない追撃。
だが、躊躇(ためら)うことなく首を切り落とした。
――――そうだ!!
"オレ"が、また人間を殺した。
…………
……
美咲じゃないっ! オレだ!
あのイベントで初めて人を殺したオレは、その事実を感情として表に出さないようにしてきた。
いや……
救出システムがある、と無理矢理自分の心を押さえ付けていたんだ。
本当は恐ろしくて、逃げ出したくて仕方がないのに。
長い夜には、とめどもなく涙が流れ落ちたのに。
だから! だからオレの目の前で仲間に人を殺させたくなかった。
同じ悲しみを背負わせたくなかった。
そんな事は頭では無理だと分かっていても。
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