目的

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その答えならオレは知っている。 あくまでも予想の範囲だが、正解に限りなく近いはずだ。 「それならオレ、分かると思う。 影山は"あと何個"もしくは"あと何回"と言葉を続けようとしたんじゃないか。 "あと何回やればいいのか?" つまり、同じような放送を影山は何度かしているんだ」 「蓮、そう思った根拠は何よ? "あとで~"や"あとは~"みたいに文章はいくらでも続けられるわ」 美咲はペンをクルクルと回して考えている。隣で何やらお菓子の袋を開けている柚葉が目に入ったがスルーして話を続けた。 「根拠はあるよ。 まず最初に疑問に感じたのは、宿屋を探している時。プレイヤーの数が少ないと感じたんだ。 日本全国の高校生がプレイしているにしてはプレイヤーの数が少なすぎないか? 小さな疑問だったけど、影山の演説で確信に変わったんだ。 ちょっとこれを見てみて」 オレはPDAを再生したり止めたりしながら説明した。 「最初は、演説前のやり取りで"何番目?"と言っている部分。 つまり影山はオレ達のいるこの【Kill Time】の世界を番号で認識している。 二つ目は、"諸君の世界は進行が遅れててね"の部分だ。オレ達ではない、他の人達の世界を示唆(しさ)しているようにも受け取れる。 最後は、さっき説明した演説後の"じゃあ次は~あと"の部分。 この三ヶ所全てが、【Kill Time】の世界が複数ある事を示しているんだ」
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