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「こーーころ。」
「!!……蒼依。ビックリした。」
「おはよう。」
「おはよ。今日は早いね。」
「午後から会合があるんだ。それに出席しないと。だから準備もあるし、直ぐ帰るよ。」
「…そっか。」
寂しそうに。辛そうに。それでも必死で笑顔を見せた彼女。
俺は立ち上がると、彼女に近付きキスをした。
瞬時に顔を紅潮させる彼女。
「ちょ…!!」
「んーー?」
「蒼依!病院で何してるの!」
「ちょっと充電。」
「はぁ!?……ンンッ!!」
抵抗する彼女を掴まえてさらに深く唇を味わう。
抵抗が無駄だと分かって、力が緩んだときに唇を離し、彼女の頬を撫でてこう告げた。
「…お前の考えていることは、PSPに帰ってから話し合おう。いいね?」
「………!!!」
瞬間的に動揺を隠せなかった彼女。
俺は少し笑みを浮かべて、ユニフォームを着た。
「蒼依!ちょっと待って…私…!」
「何?今がいいの?」
「蒼依!聞いて!」
「心。聞いても聞かなくても俺の答えは決まってる。"No"だ。
サインもしなけりゃ離婚もしない。」
「…ッッ!!!」
「明日、迎えに来るから。PSPに戻るよ。ゆっくり休むんだぞ?」
半泣き状態の彼女を病室に残すと、そのまま振り返ることなくPSPに向かった。
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