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「これに関しては、本当に想定外だったの。だから、謝らないで?逆にこっちが謝らないと。無茶してごめんね。」
左肩を指差しながら、柔らかい笑顔を作った。
そして、こう続ける。
「…思い付いたのは、皆川がなかなか姿を見せなかったとき。
多分、蒼依も2主任も、いろいろ思うところがあったでしょ?」
「……確かに……」
「あまりにも遅すぎるとは思った。」
「ああ。奇襲は成功しているはずなのに、出てこないのはおかしいと。」
「そ。まさにその時かな。
本来ならば、私の傍にいるのが蒼依だと思ったけど。
雑魚の反撃が予想以上で、2主任が対応に必死だった。
少し時間はかかるけど、2主任ならば任せられる相手。でも、時間をかけるのは、皆川出現時に命取りになる。」
「…それで俺にGoサインを出したのか。」
「ええ。蒼依もそれを望んでたから。
蒼依が2主任の応援に行ったあと、狙撃手の大半を始末。
みんなが見付かってない事を確認して、館の横に移動。
そこに現れたのが陸だった。
瞬時に、皆川がここで出てきた場合を2パターン想定した。
私一人で会った場合、そして、陸と二人で会った場合のシュミレート。
皆川はきっと私に会っても直ぐに殺さないと思ってた。」
「…確か、それと同時くらいだったか?皆川が出てきたのは。」
「うん。蒼依と2主任、その矛先が早い方を知る必要があったから…
本人から言ってくれたから助かったけど。」
「それで先に俺を逃がした。」
「そ。」
その時の判断というものは戦闘中のもので、的確で最善のものをスピーディーにしなければいけない。
PSP本部の隊長の昇格試験でも行われるもの。
しかし、戦闘中でやるのは相当な技術と冷静さが求められる。
それだけでも、彼女が俺との約束を守り、冷静だったと知る。
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