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「…ここまでは完璧だった。あとは皆川と会話するだけ。
でも、予想外のことが起きた。私にとって。そして皆川にとっても。」
「「「……狙撃された……」」」
「うん。皆川は私が極限状態まで追い込んだ直ぐ後だった。つまり、何が起きても、すべてにおいて動揺する。
それを表したのが、味方に向けた銃口。
怒り狂った皆川は、弾が尽きると後悔の色を隠せずにいた。
…いけると思った。皆川は必ず私に従うって。
そのためには、再度二人きりの場を設けなければいけない。
皆川が負傷して動けない私を盾に逃走することは容易に考えられた。
…それを邪魔して欲しくなかったから、あんな結果になってしまった。
でも皆川は私に殺して欲しいと願うほど自分に苦しんでいた。それが分かっていたから大人しく捕まったの。」
そう言って立ち上がった彼女は、俺たちに頭を下げた。
「"自分を犠牲にする"って、再三止められて。自分でも避けたかったけど。これしか方法がなかったの。
…心配かけてごめんなさい。」
「…心…」
「頭上げて。」
「俺たちもお前を読むことが出来なかったんだ。お前がみんなを守り、俺たちも守る方法を考えながらなんて…」
「うん。だよね。」
「「「は?」」」
「だってさ、3人とも私を見失うことはまずないって思ってたからさ!それも想定外だったんだけどね!
思った以上に3人慌ててるし?だから"すぐ戻る"って言って安心させたんでしょ。プラン通りだと気付いたはずだよ?
ま、結果オーライってことで。アハハ!」
凄い。
うん。凄いとしか言い様がない。
だが、若干怒りを覚えるのは俺だけじゃないはず。
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