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「皆川と向き合うことをお前が決めたのなら、俺も皆川と向き合おう。
お義父さんが皆川の心を救えと言うのなら、俺だってお前を手伝う義務がある。
だって俺は、倉原龍一の息子だろう?」
「……蒼依……」
「第一、俺はお前を手放せない。お前を愛してるから、手放せそうもない。
…バカなことを考えるけど、俺のためにバカになるお前が愛しくて堪らねぇ。」
「…う…うぅ…」
「別れを望むなら別れてやる。でも俺は、その翌日にお前にプロポーズするよ?
…俺たち二人、恒久PSPを国に誓った身だ。別れたとしても、死ぬまでここに縛られる。
じゃあお前は、死ぬまで俺にプロポーズを受けることになるな?
……それも一興だが、俺をウザい男にさせないでくれよ。」
彼女に会ったその日から、ずっと彼女しか目に入らなかった。
俺には彼女しか愛せない。
今までも、これからだって。
「心。愛してるよ。だから別れるなんて言うな。俺とずっと一緒にいてください。」
「…い…いいの?」
「俺が頼んでるんだけど?」
こんな彼女の不安など、俺が払拭してやる。
彼女のためなら命だって捧げる覚悟など、何年も前から決めてある。
彼女の思いが俺に向けられていると分かったとき、この唇が、俺を受け入れたとき、俺はどんなに嬉しかったことか。
彼女の戦いを知ったとき、拷問を知ったとき、リチャード・ボンズとのことを知ったとき、俺はどんなに悲しかったことか。
共に歩んだこの数年を、俺は受け止めてきた。これからだって受け止めていける自信はある。
「…蒼……苦し……ン!」
キスして。キスして。キスして。
その思いを彼女に伝えて。俺自身も満たして。
「…あーー!ちくしょーー!抱きてぇ!!」
「……!!……もう!蒼依!」
「頼むから早く治って!」
「バカ!」
こうして俺は彼女を守っていくんだ。
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