終焉。 そして……

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涙で包まれたプライベートルーム。 その中で、彼女の言葉が嘘だったと思う者は最早存在しなかった。 「…ほら…4人とも。ここにおいで。未姫が来たぞ。」 呟かれた長官の言葉に、4人の儀式を解く。 《まま おそい》 「うあ!ごめんなさい!」 「「「アハハハ!」」」 その書き出しで始まった。 《ぱぱにだっこされたい りくぱぱにも なりぱぱにもいっぱいだっこされたい だけどぐらんぱとぐらんまがだめだって いつかいっぱいできるからって だからみきはずっとまってる いもうとかわいい みきはよくあそぶの ぱぱのぱぱにあった いっしょにいっぱいあそんだの とってもやさしかった ぱぱにそっくりだった ぱぱだいすき ままだいすき りくぱぱだいすき なりぱぱだいすき じぃじだいすき》 句読点も変換もないその文字に、紛れもない未姫の思いがたくさん詰まっていて、自然と笑顔になってくる。 「ハハッ!未姫のやつ、本当にお喋りになってら!可愛い。」 「でしょ?凄いのよあの子。」 「見ろよ成。本当にグランパとグランマって言ってるぜ!」 「だから!心、お前の親、何なんだよ?」 「知らねーよ。勝手な奴。」 「マジか…親父に会ってるって。スゲーな。」 「姫!ママも大好きよ!…ほら!みんなも言って!!」 「ハハッ!パパも大好きだぞ!」 「成パパも大好きだーー!!」 「俺は愛してるぞーー。」 「陸!ズルい!」 「「「アハハハ!」」」 涙と笑顔と。止められない幸福感。 こんな現実が信じられない。 でも確かに今、ここに奇跡が起こってる。
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