柚葉の受難

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新しい部屋は先ほどよりも広く、中央には机が置かれ、その上には料理などで使う計量機があった。 少し離れた壁側には、同じ大きさの袋がいくつも並んでいる。 今度は料理問題? いよいよ私の出番ね! でもコンロや調理器具が見当たらない。 《プレイヤーは一名につき一回だけ解答できます》 「二問目があるかもしれない。念のため柚葉さんが先に答えよう。僕は後で答えるよ」 いきなり責任重大? 安心しきっていたけれど、よくよく考えたら参加条件が二名なんだから、私が答えなければならない問題もあるよね。 《解答するプレイヤーは前に。解答しないプレイヤーは入口の赤い丸の中から出ないで下さい》 どうしよう……。 =============== 【問題】 たくさんのダイヤモンドが入った麻袋が十袋あります。 そのうち九つの袋の中には偽物のダイヤモンドが入っており、一つの袋にだけ本物のダイヤモンドが入っております。 計りを一度だけ使い本物のダイヤモンドが入った袋を見分け、解答席の上にダイヤモンドを一つ置いて下さい。 ただし 偽物は一個50グラム 本物は一個49グラム 【制限時間300秒】 =============== 一回だけ? 八回重さを計れば絶対分かるけど、それじゃあ問題にならないか。 「柚葉さん、ペン持ってる?」 哲じーの指示通りくまさんポシェットからペンを取り出した。 まさかわかるのっ!? 「右の袋から順番に、一から十まで袋に番号書いて、その番号と同じ個数だけダイヤモンドを取り出して」 間違えないよう慎重に、袋に数字書き込んでから取り出した。 「全部で55個あるよね?」 えーと…… ホントだ! ちゃんとダイヤモンドが55個あるよ。
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