奪われた美咲②

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=============== 《視点》鷹山 蓮 =============== 「鷹山です! 夜分すいません。仲間が圏外で……」 雷斗さんが電話に出た事で安心したオレは、矢継ぎ早(やつぎはや)にまくしたてた。 『ちょっと待て、待て。いきなり何だ? 落ち着け、蓮』 「あ、すいません」 すうっと、大きく息を吸い込んでから再び説明した。 雷斗さんの話だと圏外になる場所はいくつかあるらしく、状況を考慮するとレアミッションに行ったのだと。 レアミッションでレベルが100に達する可能性。つまり、呪いが発動する危険性がある。 美咲はまだ呪いの事は知らない。 「な、なんとかなりませんか?」 電話の向こうで誰かと話している声がする。 『やっぱり、十九時前に面白い娘とレアミッションへ行くとキリからメールがあったらしい。一緒の可能性が高いな。 ただ、キリは呪いの事は一切知らない』 キリ……あのキスし、いや回復系スキル所持者の人だ。 レアミッション―― 難易度や危険度はどうなんだ。生還率は? 立て続けに不安が込み上げてくる。 「大丈夫ですかね? キリさんの強さは……」 言いかけたところで、失礼な質問をしていることに気がついた。 「あ、いや、その、心配で」
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