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≪視点≫ 西条 美咲
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【姫】発動。
刀身を纏う白いオーラが、手首から肘、肩と包むように広がり全身にいきわたった。
蓮の【命懸け】みたいだわ。
般若の声が頭に響く。
≪姫様、ワシの技は武器のオーラを利用して肉体を強化いたしますぞ≫
全身が軽く感じふわふわしていながらも、力がみなぎっている。
これなら斬れる!
お互い対峙したまま動かない。
私の視界から景色が消えていき、音までもが無くなっていく……極限までに集中した私の世界。
――今しかない!
地を蹴り独裁者の間合いに入った瞬間、殺気を感じ取る。
居合いじゃない!?
切り落とされたはずの左腕から、ヌメッとした細長い触手が伸びてきた。
落ち着くのよ。
いち早く察知した為、触手を寸前でかわす。
さらに日本刀の攻撃が追い討ちをかける。
――キィィィィィン!
その一撃を白い剣で受けながら、さらに接近。
鍔(つば)競り合いに持っていく。
無理はせず、力の流れを感じるのよ。
体と体が触れそうな間合い。
そのままグラネルの柄頭を独裁者の顎(あご)へと滑らせた。
――ビシッ!!
死角からの一撃に奴は体勢を崩す。
輝く神剣を振りかざしながら間合いを詰めていく。
――ガシッ!
いけると思ったその時、かわした触手が足元から絡み付いてきた。
――なっ!?
足元から太股、腰へと何本にも枝分かれし伸びてくる。
この体勢はまずいわ。
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