奪われた美咲②

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下半身の身動きが取れない! 独裁者の日本刀が、スローモーションの様に私の首へと薙ぎ払われてきた。 腕を切り落とされても首は守る! グラネルで受けるには間に合わないと判断。半身を時計回りに捻り、肘を折り畳み左肩を上に挙げて受ける。 ――くっ!! 歯を食いしばりながら、残った右腕を振り上げた。 ――痛みが少ない!? 独裁者の日本刀は左上腕に喰いこんではいたが、斬り落とすには至っていなかった。 肉体強化のおかげ…… 今しかないわ! 右手に渾身の力を込める。 枝分かれした敵の触手が、急激に太くなり、頭部をガードする。 ――ズシュッッッ!! 強い輝きが触手に喰い込む。 まだいける。 「――やぁぁぁぁぁぁ!」 雄叫びに呼応しているかのように私の腕に力が注がれた。
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