445人が本棚に入れています
本棚に追加
『そんな姿、貴女らしくないって言ってるのよ』
「ひ、人が"ありがとう"ってお礼を言っているのに何が気持ち悪いわけっ? ア、アンタ一体何様なのよっ」
私に向けた彼女の優しい眼差しは変わらない。
『――それよ、貴女らしいわ』
私も美月につられ、自然と笑顔になっていた。
「この借りは必ず返すわ」
『あら、借りならまだ作ってあげるわよ』
これ以上何をするというのよ。
美月に言われるまま横になり、左腕の傷口を出す。
今頃になって傷口が深い事に気が付く。いくらスキル【姫】に守られたとはいえ独裁者の一撃を腕で受けたのだ。
これを治すの?
『じゃあ……目をつむって』
最初のコメントを投稿しよう!