奪われた美咲②

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『そんな姿、貴女らしくないって言ってるのよ』 「ひ、人が"ありがとう"ってお礼を言っているのに何が気持ち悪いわけっ? ア、アンタ一体何様なのよっ」 私に向けた彼女の優しい眼差しは変わらない。 『――それよ、貴女らしいわ』 私も美月につられ、自然と笑顔になっていた。 「この借りは必ず返すわ」 『あら、借りならまだ作ってあげるわよ』 これ以上何をするというのよ。 美月に言われるまま横になり、左腕の傷口を出す。 今頃になって傷口が深い事に気が付く。いくらスキル【姫】に守られたとはいえ独裁者の一撃を腕で受けたのだ。 これを治すの? 『じゃあ……目をつむって』
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