446人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日は共同会議じゃないの? ウチの二人も行ってるはずだわ」
『会ったわ。怪我した蓮君の唇も、もちろん頂いたわよ』
――なっ?
アイツは何やってんのよ! 会議に行ったんじゃないの?
あ……待って。
――えっ?、えっ!!!?
ちょ、そうしたら美月にキ、キスされた私は……れ、蓮と間接キス……。
激しく顔が紅潮し、心拍数が上がってきた。
ち、違うわよ。人を間に介してのキスなんて。
でも……。
は、初めてのキス。
『なんだか、お馬鹿な事考えている顔ね……』
《レアミッション終了。二十秒後に転送が開始されます》
『このマレンゴサーベルとグラネルをトレードしましょ。骨董品好きなのよ私』
いつの間にか私のサーベルを美月は手にしていた。
「そんなの駄目よ。これ相当レアな武器でしょ?」
『歴史的価値はサーベルのほうが断然上よ。それにグラネルは私のオーラとは相性が悪いの』
私には嬉しいトレード。結局、最後まで美月のペース。
「ありがとう、美月」
『よくってよ。美咲なら託せるわ……』
水使いのスキル、上位回復系能力、戦闘での体術どれを取っても敵わないが、それ以上に人間的に負けていた。
悔しいけど……次は負けない。
私の中には、明確な"目標"が芽生えていた。
――転送が開始される。
最初のコメントを投稿しよう!