奪われた美咲②

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頭の中に何度もイメージする。 奴の一撃目は必ず、両手で右上から左下に剣を振り下ろす。 その剣を受け流しながら右側に入り込む。 いける。私なら出来る。 覚悟が決まった時、食人鬼は追い付いてきた。 『早く……喰わせろ……』 【ホワイト・シーク】発動。 目くらまし程度でも、やれることは全てやるわ。 右上に振り上げられるグレードソード。白い光で奴は私を捉えきれていない。 サーベルをいつもより浅い角度で前へ出す。 ――キィィィィン!! イメージを超えた衝撃にサーベルが持っていかれそうになる。 今までだったら全力であらがっていた。 逆らわず、サーベルに込めた力を抜いて、奴の力を利用する。 勢いを身体の回転力に換えて食人鬼の背後に回り切り付けた。 ――――ブシュッ! さっきとは違う手応えと共に真っ黒な血が噴き出す。 出来たわ!! もう一撃いける! さらに斬り付けながら奴の左側に移動すると、敵は右側を振り向いたため、背中が再び私の前へ。 今よっ! 今度は右足の腱に一撃を加え、下がった食人鬼のうなじ目掛けてサーベルを突き刺した。 ――ブッシュッ! 飛び散る鮮血。人間ならば呼吸中枢がある急所。頭部を蹴りつけ、グレードソードを踏み付けた。
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