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実際に参加するのはオレ達五人だが、様々なパターンを想定して指示を出す哲二。
この辺はさすがだな。
一旦休憩となり、オレは退屈そうに寝てるポルンが映る画面の前に座る。
「こんな大規模なイベントって昔もあったのか?」
『さぁな。そんな昔の事は忘れちまったぜ……』
西洋のガンマンを気取っているのか、指(蹄?)を拳銃代わりに上にあげ、テンガロンハットを
押し上げている。
どこで買ったんだよその帽子。
でも……何か変だ。
この場面だけなら、ただの変な動物にしか見えないが、オレには何か隠しているように感じる。
実際、質問すれば何でも答えられる知識量をポルンは持っている事が最近わかった。しかし、過去に関しての質問は、今のようにおちゃらけて答えない。
本当に知らないのかもしれないが誤魔化しているようにも感じる。
考えすぎか……柚葉の事といい、ポルンの事と言いちょっと深読みし過ぎだよな。
両腕を伸ばしストレッチしていると、哲二の声が聞こえてきた。
「間に合うかな? 」
『バイクはOKです。アレは試作段階なので量産は無理ですが何とか間に合います』
作業班と何かを話している。
その顔を見て話の内容が表に出せないものだと理解した。あれはブラック哲二の表情だ。
良からぬ事をしていなければいいが……。
あえて触れないことにした。
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