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引き裂かれるような痛みが走る。
『どうしたのっ!?』
初めて動揺した声を出す美月。
――やっぱり。
しかし、この痛みの原因は……
『もしかして……貴女、呪いを受けているの?』
呪い?
受けた記憶も、呪いなんてものがあることすら知らない。
「わ、わから……ないわ」
痛みで考えがまとまらない。
『よく聞いて。呪いには種類があるけれど、黒いオーラは精神系が多い。
精神世界で戦って勝つか、問いかけに正しく答えるか、私も呪いには詳しくないからそれ以上はわからない』
精神世界? 戦う? 問いかけ?
『私のグラネル貸すからしっかり持ちなさい』
美月が手にしていた白く輝く剣を渡された。
頭が割れるように痛い。
『残り時間三十分ってとこね。Aランクが出てくるけど、貴女は安心して精神世界で頑張りなさい』
視界が暗く……
意識が断ち切られていく……
――……
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