奪われた美咲②

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だんだんと身体に力が戻ってくるのを感じる。 さすがの美月も食人鬼や殺人鬼を相手にしながらAランクと戦うのは厳しいはず。 加勢しなくては。 グラネルに力を込める。刀身の短い武器は、私の意思に呼応するかのように光り出した。 この武器…… 今までのレイピアやマレンゴサーベルとは違う何かを秘めている。 これなら戦えるわ。 ――私は逃げない。 さらに強い意思がグラネルに流れ込んだ。 ――バシャァァァン!! 私を覆(おお)うゼリー状 の物質が弾け飛んだ。 『あら、早いのね。もっと休んでいてもよかったのに』 やせ我慢。立場が逆だったら私も同じ台詞を言ったはずだわ。 「退屈は嫌いなの。ちょっとこの武器借りるわよ」 流れる動きの中、美月は微笑んだ。 真っ白なオーラが刀身を作り出している。 この武器は意思を込めると短い刀身からオーラが出て長い刀身を形成する。 そう理解した。
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