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だんだんと身体に力が戻ってくるのを感じる。
さすがの美月も食人鬼や殺人鬼を相手にしながらAランクと戦うのは厳しいはず。
加勢しなくては。
グラネルに力を込める。刀身の短い武器は、私の意思に呼応するかのように光り出した。
この武器……
今までのレイピアやマレンゴサーベルとは違う何かを秘めている。
これなら戦えるわ。
――私は逃げない。
さらに強い意思がグラネルに流れ込んだ。
――バシャァァァン!!
私を覆(おお)うゼリー状
の物質が弾け飛んだ。
『あら、早いのね。もっと休んでいてもよかったのに』
やせ我慢。立場が逆だったら私も同じ台詞を言ったはずだわ。
「退屈は嫌いなの。ちょっとこの武器借りるわよ」
流れる動きの中、美月は微笑んだ。
真っ白なオーラが刀身を作り出している。
この武器は意思を込めると短い刀身からオーラが出て長い刀身を形成する。
そう理解した。
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