東門

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あのリモコンは共闘エリア解除の装置だ。プレイヤー同士のスキルは当たる。 『中々、動きが鋭いな。あれを回避するとはよ』 二つの曲刀を逆手に構えた亀山は冷静だ。 ――双剣の申し子 二つ名から判断すると剣技に長けているはず。 でも、一体オレンジライフの隊長がなぜ? シエルと仲間? というかシエルって…… オレの横まできた修司が槍を構える。 「アイツは敵だろ? やっちまっていいんだな」 「あぁ・・・・・・敵だ」 そうだ敵だ。修司の考え方はシンプルでいい。今は余計な事を考えずに、この場を切り抜けなくては。 「無茶は駄目だよ。二人が来るまで時間を稼ぐんだ」 背後から哲二がささやく。 大鎌のシエルが亀山と並ぶ。 『こいつらもブッ殺していいのか?』 そうだ。シエルもいたんだ。隊長以上の強さだぞコイツ。 『いや、俺にやらせてくれ。久しぶりだからなプレイヤー狩り』 『"約束"には無いから好きにしろ。まだ予定には早いしな』 そう言い放ったシエルは交戦場へ向かっていく。 哲二が肩に手を乗せてきた。 「やっぱり無茶しよう。亀山は油断している。スキルを使ってくる前に三人で一気に亀山を叩く」 シエルが戦わないのは好都合だ。三人なら勝てる。 相手はかなりの実力者だが不思議と恐怖はなかった。 その理由(わけ)は・・・・・・ 「うらぁ! 気合い入れるぜ!」 【エア・ダッシュ】発動。 黄色のオーラが修司の体を包み込む。 【葉桜】発動。 緑色のオーラが刀を包む。 修司の槍が突きを繰り出す。早過ぎる攻撃は刃先が何本にも見える位だ。 亀山はその全てを、時にはかわし、時には曲刀で弾いた。 隊長ならそれ位できるだろう。 ――だが、三人なら絶対に負けない! オレは、修司の強さと哲二の頭脳を信じている。 覚悟は決まった!
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