437人が本棚に入れています
本棚に追加
もうちょっと実用的に、考えて敵キャラ作れよ。
あの手で普段どうやって生活してんだ。
転がる死体を踏みつけながら虎男は突進してくる。
つまんねーな。
右手の得物を振り上げた。
あっちの魔術師いってみるか。
余所見をしながらも、鋭い爪の攻撃に合わせるかのように右から中央へ振り下ろした。
――ズシュ!!
やっぱ、切れ味凄いなこれ。
左爪ごと虎男の体は真っ二つになっていた。
西門から雄叫びと共に地鳴りが沸き起こる。
≪凍夜様から入電です≫
早いなあいつ。
「何だ?」
話しながらも動作は止めない。
左前方の魔術師の手のひらから氷の剣が何本も打ち出された。
≪何だ? じゃないだろ。お前が突っ込んだから一番隊から三番隊まで後に続いて突進しているぞ≫
上半身を小刻みに捻る動作で数本をかわし、二本を刀で魔術師に打ち返す。
「どっちにしろ、一から三までは突っ込む作戦だぜ。そんな強そうな敵いないし大丈夫だろ?」
戻ってきた剣ををかわす魔術師の左側に回り込み、心臓付近を突き刺した。
≪いいから、今すぐ戻れ!≫
右の足元に紫色の魔法陣が出現した。
本気で怒ってるなあいつ。
この魔法陣は凍夜のスキル【チーム・ターゲット】だ。チームもしくは同盟チームのプレイヤーを一名だけ自分のもとへ召喚するスキル。あらかじめ指定した場所であれば送ることもできる。
もう終わりかよ。
魔法陣の中央に歩み寄ると転送が開始された。
最初のコメントを投稿しよう!