1323人が本棚に入れています
本棚に追加
この二人は知り合いか。
そりゃ、この狭い世界。実力者同士お互いを知っていても不思議ではない。
シャークは傘を広げたまま敵陣へ突っ込んでいく。
『貴方達、こんな所にいる場合じゃないわよ。ほらあそこの友達もさっきからこっちを見ているわ』
美月さんの視線の先には、城門がありその横には見慣れた男が。
唐草模様の風呂敷を背中にしょっているムッキーだ。
「僕が電話してみる」
PDAを取り出す哲二。
それにしても美月さんはいつの間に近付いてきたんだ。城門からここまで遮(さえぎ)るものなど何もないんだぞ。
「大変だよ。美咲さんと柚葉さんが北門と南門に向かったらしい」
『今、戦ってるわ。北門は柚葉ちゃん。南門は美咲がね』
美月さんの話だと、柚葉が岡隊長と戦っており、暗黒の紋章と美咲が戦っているという。
どこでそんな情報を仕入れたんだ。
「二手に分かれて早く助けに!」
『珍しくシャークがやる気らしいから、ここは問題ないわ。
……この子達はどうしようかしらね』
氷の様な視線が、水の中に閉じ込められたプレイヤー達に向けられる。
「僕と蓮で柚葉のところに。修司は美咲を頼む。気をつけろよ」
哲二が指示をだすやいなや修司は【エア・ステップ】で南門へ向かっていった。
最初のコメントを投稿しよう!