混戦

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この二人は知り合いか。 そりゃ、この狭い世界。実力者同士お互いを知っていても不思議ではない。 シャークは傘を広げたまま敵陣へ突っ込んでいく。 『貴方達、こんな所にいる場合じゃないわよ。ほらあそこの友達もさっきからこっちを見ているわ』 美月さんの視線の先には、城門がありその横には見慣れた男が。 唐草模様の風呂敷を背中にしょっているムッキーだ。 「僕が電話してみる」 PDAを取り出す哲二。 それにしても美月さんはいつの間に近付いてきたんだ。城門からここまで遮(さえぎ)るものなど何もないんだぞ。 「大変だよ。美咲さんと柚葉さんが北門と南門に向かったらしい」 『今、戦ってるわ。北門は柚葉ちゃん。南門は美咲がね』 美月さんの話だと、柚葉が岡隊長と戦っており、暗黒の紋章と美咲が戦っているという。 どこでそんな情報を仕入れたんだ。 「二手に分かれて早く助けに!」 『珍しくシャークがやる気らしいから、ここは問題ないわ。 ……この子達はどうしようかしらね』 氷の様な視線が、水の中に閉じ込められたプレイヤー達に向けられる。 「僕と蓮で柚葉のところに。修司は美咲を頼む。気をつけろよ」 哲二が指示をだすやいなや修司は【エア・ステップ】で南門へ向かっていった。
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