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「美月さん、お願いします」
化け物みたいな二人ならあの大群も平気だろう。安心してまかせていられる。
哲二と二人で先を急いだ。
北門までなら走ればすぐだ。柚葉と戦っているのはオレンジライフの隊長らしい。急がなければ。
亀山といい、オレンジライフに何が起こっているんだろう。
不可解なものが多すぎる。
亀山、岡の裏切り。運営側のシエルとの契約内容。暗黒の紋章達。
胸騒ぎがしてくる。
そもそも契約の意味がいまいちわからない。
影山の最低限のルールを守るっていうことは、プレイヤーに対して平等に扱うということだろう。つまり何かをして欲しければ見返りに代償を支払う。
その代償が……裏切りか。
亀山達は、共闘システム解除の代償として裏切る事を選択した。
何の為に？
共闘システムの解除。それだけではオレンジライフを裏切る行為には見合わない取引きだ。
きっと、それは取引きの一部でしかない。
雷斗さんは知っているのだろうか？
このイベントの行く末が想像できない。
「蓮。今は考えるのはやめよう。取引きの一部という考えは正解だと思う。他にもまだ裏切る人が増えそうだ」
そんなにオレの考えることは読みやすいのか？
確かに修司の考えていることはまったく読めないけど……。
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