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【エア・ステップ】で三度目の"空"を踏み付け移動する。
南門に向かえばいいんだな。美咲の奴無理してなきゃいーけどよ。
南東の城壁を越えた辺りで一度着地をする。
もういっちょ行くぜ。
両脚に力を込めた時、向こうから走ってくる一人の男が目に入る。
あいつ槍持ってんな。槍使いか。戦場に一人でいくのは危ねーな。
踏み止まり話し掛けた。
「血相変えて何処いくんだ? 東門は危ねーぞ。化け物みたいなのが二匹いるからよ」
坊主頭の男も立ち止まり、身体の中央で槍を構える。
んだよ。警戒されちまったか。
日本人ではなさそうだ。言葉が通じねーのか?
『なぜ、お前は生きている。亀山はどうした?』
げっ。こいつ亀山の仲間か?
早く美咲のもとに行かねーとならねぇ。何かうまい理由は・・・・・・。
「お、俺も真っ黒な紋章だぜ。か、亀山はやられちまったぞ。危ねーから逃げてきたんだ。お前も弱そうだからやめとけ」
『な、なんだと? 計画はどうなった! スキル解除は!』
やべぇ。話が難しくなってきちまった。
「スキルは解除されたみてーだ。美月さんとシャークが仲良く敵を蹴散らしているよ」
『シャークが来たのかっ!?』
まずいこと言ったか?
これ以上口を滑らす前に逃げちまおう。
両脚にグッと力を入れる。
『わかった。東門裏側の爆弾は俺がセットし直す』
――なっ!? そりゃ、まずい!
上空から確認したが、あの辺りには佐伯とか社員がまだいたぞ。
「そ、そっちのデカイ爆弾はもう大丈夫だ。俺が仕掛けたからバッチリだぜ」
坊主頭が槍を構え直した。
『・・・・・・お前。誰だ?』
――!?
殺気だ。
問答無用。無駄のない動きで槍を突いてきた。
そのスピードから風切り音がビュッと鳴る。
かわしたはずの槍先が頬をかすめた。
コイツ強い?
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