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『爆弾は携帯式だ。デカいわけがないだろ!』
応戦しなきゃやられる。
グングニルを振り回し、連続で打ち付けた。
細かい動きで俺様の槍が捌(さば)かれる。
なんかやりずれぇ。
「テメーこそ誰だ!」
一旦、後に離れながら槍を振りかぶった。
【三日月】発動。
直ぐさまグングニルに黄色い力がチャージされる。
まだ放たない。留めながら様子をみるんだ。
『名前など捨てた!』
奴の槍が一旦手元へと引き戻される。
攻撃するつもりだな。
予備動作を見抜くも、そこから繰り出された一撃は信じられない速さだった。
身体をねじり、かろうじて腹部を狙った突きをかわす。
――クッ!?
焼けるような痛みと共に、鈍い音と裂ける音が混ざって聞こえた。
えぐられた左脇から赤い血がジワリと滲(にじ)む。
攻撃は回避したはず。
さっきもそうだ。
こいつの刃先は当たる瞬間ブレるんだ。
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