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分かってきた。
槍の"しなり"だ。カーボン製の竹刀みたいなもんか。
その"しなり"を利用して攻撃する。手元で矛先を操りながら攻撃軌道を自在に変化させんだ。
苦手な理屈は分かったけど、練習しなきゃ出来ねーよ。普通はな。
その前にコイツに聞かねーと。
「何を守んだ? オレンジライフを裏切らなきゃ守れねーものなのか?」
苦渋(くじゅう)に満ちた顔。本当は悪い奴じゃねーな。
『……現実世界に妹がいるんだ。俺がいないと……』
・・・・・・マジで聞かなきゃよかったわ。そういう人情話に俺は弱い。
「早く助けにいってやらなきゃな」
そういや俺のネーチャンは今頃どうしてんだろう。
『止めないのか?』
「何いってんだ。止められたくないから槍向けてんだろ?
胸張って行けよ。
――俺様を倒してからな」
『――!?』
あたりめーだ。
どっちがいいとか悪いとか、そんなもん知らねー。俺は俺で胸張って、信じる道をいくだけだ。
剣だろうが、槍だろうが。
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