修司の槍

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「お前、途中から死ぬつもりだったろ? なんでスキル使わねーんだ。使ってたら俺様でも苦労したぜ」 そういや、俺も三日月使うの忘れてたわ。 左手の傷と脇腹、右大腿部の傷がズキズキと痛みだす。 『よく言いやがる。スキル使っていたら俺の圧勝だ』 ちっ、坊主頭のいう通りだな。 『・・・・・・雷斗さんと、美月さんの名前を出されてはな……』 そんな大切な二人がいるのになんで裏切ったんだ。 「守りたいものがあるって、そのまんま、伝えればいいじゃねーか」 『……それは無理だ。オレンジライフの目的は"ゲームとの共存"。先に進む事など出来ない』 何回か聞いたなその言葉。さっぱり意味が分からねぇ。 守りたいものと、二人との約束が違ったのか? やっぱり、よくわかんねぇ。 「あぁ、もう、その話はいいや。名前はなんて言うんだ?」 『……ホント、面白い奴だな』 面白いって、さっきもシャークに言われたが馬鹿にしてんのか? 『元・・・・・・五番隊、隊長のリリー・チェンだ。槍なら誰にも負けない。 全部話してやるよ』 コイツ隊長だったのか。 どうりで強いわけだ。 チェンの話だと、暗黒の紋章って奴等が運営と"契約"だとかいうものをしたらしい。 モンスター軍を勝たせれば、契約した者たちを次の地域に行かせると。 なんだ次の地域って・・・・・・。 次々に新しい単語が出てきて覚えられねー・・・・・・。 「誰なんだよ暗黒のボスはよ」 『日下部(くさかべ)だ。大した能力もないが、最近、急にリーダーシップを取り出したんだ』 なんだシップって? 「シップねぇ・・・・・・。まっ、いいや。俺は仲間の所に行く。お前はどうすんだ?」 『俺が知っている裏切り者は、亀山以外にも岡がいる。あいつを止めに北門へいく』
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