1323人が本棚に入れています
本棚に追加
残りの蝙蝠(こうもり)ちゃんは、あと二匹。
気持ち悪い変態隊長だけど実力は本物なのね。
さっきの【猿舞】とかいうスキル。人間離れした動きで飛び回ってきた。早過ぎてスキルも当てられなかった。
まさにサル。岡ザルよ!
『ん~。ほら、もっと叫びながら逃げないと』
反対側へ出れば誰かいるかもしれない。
サルの攻撃から逃げ回り、やっとの思いで門脇の扉まで辿りついたんだ。
――痛いっ……
澄んだ金属音と右肩には三本の傷跡。蝙蝠ちゃんでも追えないスピードの攻撃だ。
残り一匹。
急いで扉を開けて反対側へ飛び出す。
な、何これ……
門前には、黒いパーカーの集団。
何百mか先の交戦場にはモンスターの大群に挑むプレイヤー達が。
『岡の野郎、まだ遊んでんのか』
誰この人。一人だけ黒い鎧に身を包んでる。
マントなんかしちゃって趣味が悪いよ。
『ん~。逃げ場なんてないって』
後ろの扉から岡が出てきた。
これって状況が悪くなっただけ?
最初のコメントを投稿しよう!