柚葉の一歩

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岡ザルへ向かっていく魔王くん。 私の相手は目の前の三人。 日下部を守るようにプレイヤーが前に出た。 増幅させた左手を手前の地面へと向ける。留(とど)めていた氷の柱が飛び出した。 続けざまに右手の炎球を発動させる。 『そんな単調な攻撃なんか喰らうかっ!』 ――分かってるもん。 貴方達より凄い仲間の戦いを、ずっと見てきたんだから! 【斥力】発動。 前方へ向けた反発の力が解放された。 激しくぶつかる氷と斥力。 押し戻されそうな勢いを必死に堪(こら)える。 爆発したように弾けた無数の氷刃がプレイヤーに突き刺さった。 血まみれになりながら吹き飛ぶ二人。 斥力の勢いは止まらない。 右側の炎の塊をも後押しする。 一気に加速した燃え盛る火の玉は、日下部へと向かった。 【イリウスの楯】発動。 杖から出た光のオーラが空間を紡(つむ)ぐ。一瞬にして光の楯が出現。 大丈夫。あれだけ増幅させたんだから撃ち抜ける。 衝突する光と炎。 若干だが炎が押している。 ――頑張って! 『ふざけんな! お前なんかにやられるかよっ!』 光の楯の上部が後ろに傾けられて角度が変わる。 あっ・・・・・・反らされちゃう。 追い撃ちをかけるべくスキルを発動させた。 スキル……【斥力】…… ――発動しないっ!? まさか・・・・・・
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