混戦

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撃ちつけた炎が弾け、轟音と共に爆発が起きる。 炎の勢いは収まらない。その煙幕の中から人影が見える。 と、同時に右から残ったSランクが突進してきた。 残り二匹か。丁度いいな。 正面から飛び込む敵のサーベルをかい潜(くぐり)り、腹部に蹴りを放つ。 姿勢を崩した所に右側の一つ目男がサーベルを薙ぎ払ってきた。 辺りの風景が一瞬で闇に変わる。 《雷斗様、視界が・・・・・・》 「両瞼(まぶた)を切られたらしい。問題ねぇ」 【文月】発動。 顔周辺にオーラの熱が感じられた。全ての感覚が研ぎ澄まされる。 右・・・・・・正面か。 最大まで増幅された感覚。 殺気と音で攻撃を見極める。 【師走】発動。 纏わり付く何かが重力を奪ったように、足元が軽くなった。 「おら、こっちだ!」 移動しながら奴らの攻撃を回避していく。 「ミュー、やっぱそううまくはいかねぇ。まだまだ時間かかりそうだ。こっちに誰かよこせるか?」 圧倒的な速さで移動するも、見えていない分だけスピードは落ちる。 しっかりついてきやがるな。 《凍夜様より入電》 「はいよ」 《雷斗、大丈夫か?》 「目をやられちまったわ。場所はさっきと同じ南西だ」 《こっちも交戦中だ。団をいかせる》 「了解」 方角だけは見失うわけにはいかねぇ。このまま移動だ。 数分は掛かっちまうな。
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