1323人が本棚に入れています
本棚に追加
『は、葉山……さん』
そうだ! ハヤマ ライトだ。
岡ザルが口癖の"ん~"を忘れるくらい動揺している。
た、助かったかも・・・・・・
あーん。よかった!
雷斗さん、カッコイイ!
でも、何で目から血が?
『柚葉ちゃんだったよな。そのまま中にいて。体力だけなら回復するから』
この玉は、防御と体力回復を同時にできるスキルなのかな。
『よう。日下部さん。会うのは初めてだな。
まさか"ミュー"まで操っているとは思わなかったわ』
ミュー? なんだろう。
雷斗さんは、イヤリングを乱暴に外し投げつけた。
そして、閉じていた両目を開く。
その素敵姿に見とれていると、後ろから金切り声が鳴り響く。
『キャー! 雷斗君、遅くなっちゃった! 待った?』
また・・・・・・誰か現れた。
白とピンクの二色、そしてフリフリを基調とした純然たるロリータファッション。
私のゴスロリ服と交換して欲しいかも。
『最初から待ってないぞ。それよりパト、団はどうした?』
華麗にスルーされたパトと呼ばれたフリフリは、まったく気にしていない様子。ハートは強いみたいだね。
【ストーン・アロー】発動。
日下部がいきなりスキルを発動した。杖から無数の矢が飛び出す。
ロリータが手にするレイピアを掲げると、突風が吹き荒れる。
フリルのスカートがひらひらと舞い上がった。
石の矢が全て巻き上がり飛んでいく。
『オマエ、次動いたら殺すから』
鋭い眼光から殺気が放たれる。鈍い私でも、皮膚にビシビシとそれが伝わってきた。
に、二重人格?
『止めろ、パト。
コイツからは色々聞かなければならねーんだ。何でも暴力で解決しようとすんなよな』
最初のコメントを投稿しよう!