柚葉の一歩

11/12
前へ
/33ページ
次へ
腰とお尻をくねくねと動かすフリル、いやパトさんは雷斗さんに向き直す。 『あーん。そんな事言わないで雷斗。照れ隠し?』 この人、変わってるかも。 力の差に、日下部は戦意喪失みたい。岡ザルも地に膝まずき腕を押さえている。 『パト、モンスターと戦っている隊員を助けにいってくれ』 『了解!』 タタタッと駆け出していくけれど一人で大丈夫なの? 『さて・・・・・・日下部、お前みたいな奴にできる計画じゃねーよな。黒幕は誰だ?』 俯(うつむ)いた男は口を開かない。仮にもプレイヤーキラー集団のリーダーなのに完全に降参しちゃってる。 雷斗さん一人しかいないのに。 『お前さー。早くしゃべっちまった方がいいぞ。団がこっちに来る前にさ』 そう言いながら、雷斗さんはPDAを取り出した。 『キリか? 遅れてすまねー。ミューまで操られてたから目つぶって走ったわ。まぁ、こっちは大丈夫だ。武と日下部は捕らえてある』 美月さんと電話しているみたい。ミサリンとか他のみんなは大丈夫かな。 そう思った矢先に城門から声が聞こえてきた。 「柚葉!」 あっ!! 蓮ちんと哲ジーだ。 二人とも無事だったんだ・・・・・・
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1323人が本棚に入れています
本棚に追加