混戦

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=============== 《視点》 鷹山 蓮 =============== 哲二がシエルに勝っているのはスピードだけだ。 厳しい状況。 「一つ聞いていいかな。なんで女性なのにそんな言葉遣いなの? もしかしてさ、男には負けたくないって感じかな? ・・・・・・ふーん。 案外、可愛いとこあるね。僕は好きだよそういうタイプ」 他にも勝る部分があった。頭脳と口撃だ。 『何だと、テメェ・・・・・・』 二人の距離は3m程。哲二の距離だ。 「否定できないってことは図星だね。大体、男だから女だからって考え方自体が"女"の考え方なんだよ」 【シルバー・チェーン】発動。 伸びたオーラが3m程の鎖に変わっていく。 『そこを動くんじゃねぇぞ。口だけ野郎が!』 「あ。今スキル使わないほうがいいよ。僕には当たらないから」 何を狙っているかわからない。ただ、挑発する為の演技だということは分かっているが・・・・・・ その聞き慣れない哲二の口調に、オレもムカついてきた。 【闇影】発動。 大鎌から黒いオーラが伸びてくる。 【プチライト】発動。 激しい閃光が辺りを包む。 そのまばゆい輝きが黒いオーラを照らすと、みるみると灰色になっていく。 右腕を振りかぶり手元のチェーンを振り回した。 灰色に変わったオーラを銀のチェーンが切断。 「ほら。影だから光に弱いかと思ったらその通りだったよ」 哲二はいつも何手先まで考えているんだ? 改めてその回転の速さに驚かされる。 しかし・・・・・・ 『イラつく野郎だ。テメェから攻撃してこいよ!』 シエルはノーガードで仁王立ちになった。 そうだ。哲二には致命傷を与えられる技がない。 唯一の【トリプル・ナイフ】もシエル相手に効くかどうか・・・・・・。 時間を稼いで美咲と柚葉が来ても、この人数相手では状況は変わらない。
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