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「致命傷を与えられない? 根本的に考え方が違うね」
どこまでも哲二のペースで事が進んでいる。
これ以上かき回されたくないシエルは無言だ。
「本当は不安なんでしょ? どうみても格下の僕が余裕だから。
……実はね秘策があるんだ」
――!?
おい、哲二それは・・・・・・
哲二が懐(ふところ)から取り出したのは数枚のチケット。
もちろん、あのレアチケットだ。
――白紙のスキルチケット
仲間のスキルを一枚につき一回自由に使える。
それでも奴に致命傷を与えるスキルなんかないだろ。
前に自分で言ってたじゃないか。
柚葉の魔法スキルをこのチケットで発動しても、同じ効果は得られない。
職業によって魔法力の違いがあるはずだって。
『なんだ、それ?』
「このチケットが勝つか、君の大鎌が勝つか一発勝負ってのはどうかな?」
哲二の思考が読めない。修司にいたっては完全に思考が停止している。微動だにしていない。
『お前が斬られりゃ何でもいいんだっ!』
大鎌を軽々振り上げながらシエルは一気に間合いを詰めてきた。
目の前でチケットを破る哲二。
「交渉成立だね」
一体どのスキルを・・・・・・
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