1323人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕との"約束"は保留で構わない。とりあえず、出直すってのはどうかな? 矛盾したら困るよね」
さりげなく哲二が提案する。一見、譲歩(じょうほ)しているようだが違う。
オレ達は、シエルにさえ下がってもらえればどうにかなる。
その上、貸しまで作るとは、悪魔のような男だ。
オレ達、シエル、暗黒の紋章の三つ巴は好都合。
リーダー格の男はシエルの前に立ち塞がる。
『シエル、お前裏切るのか?』
その言葉を受けたシエルの大鎌から、強烈な殺気が溢れ出した。
『なんだって?』
リーダー格の男は、見上げるシエルに怖じけづいたのか、上半身を反らしている。
力の差は歴然だ。オレ達三人掛かりでも勝てる気がしない。
哲二の機転で助かりそうだ。
暗黒の紋章達ならなんとかなるかもしれない。
そう思った時だった・・・・・・。
急に辺りが影に包まれる。統制されていたモンスター群がざわめきだす。
「おい! 何だよあれ!」
空を見上げるながら修司が叫ぶ。
巨大な影の正体は赤龍。
あれも敵なのか?
同じように空を見上げていたシエルが呟いた。
『シャーク・・・・・・』
最初のコメントを投稿しよう!