混戦

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「僕との"約束"は保留で構わない。とりあえず、出直すってのはどうかな? 矛盾したら困るよね」 さりげなく哲二が提案する。一見、譲歩(じょうほ)しているようだが違う。 オレ達は、シエルにさえ下がってもらえればどうにかなる。 その上、貸しまで作るとは、悪魔のような男だ。 オレ達、シエル、暗黒の紋章の三つ巴は好都合。 リーダー格の男はシエルの前に立ち塞がる。 『シエル、お前裏切るのか?』 その言葉を受けたシエルの大鎌から、強烈な殺気が溢れ出した。 『なんだって?』 リーダー格の男は、見上げるシエルに怖じけづいたのか、上半身を反らしている。 力の差は歴然だ。オレ達三人掛かりでも勝てる気がしない。 哲二の機転で助かりそうだ。 暗黒の紋章達ならなんとかなるかもしれない。 そう思った時だった・・・・・・。 急に辺りが影に包まれる。統制されていたモンスター群がざわめきだす。 「おい! 何だよあれ!」 空を見上げるながら修司が叫ぶ。 巨大な影の正体は赤龍。 あれも敵なのか? 同じように空を見上げていたシエルが呟いた。 『シャーク・・・・・・』
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