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――シャーク!?
街では何度も名を聞いた最強のプレイヤー。
その赤い巨大な龍から誰かが飛び降りてきた。
これがシャーク?
あの高さから飛び降りてきた男は全ての衝撃を吸収したのか、音もなく着地する。
手にする七色の傘。赤いジャケットには白玉模様。頭にかぶった赤い三角帽子の頂点には白い玉が。
なんだこいつ。ピエロとサンタクロースを足した感じじゃないか。本当に最強なのか?
『シャークてめぇ、イベントなんか普段こねーだろが!』
心なしかシエルが緊張しているような気がした。
赤い男は開いた傘をさしながら、チラッとオレ達をみた。
『・・・・・・面白くないですからね。敗北ペナルティー』
小さめな声。しかし、一語一語がハッキリと聞き取れるくらい澄んだ声。
『まっ俺は帰るわ。お前が来たんじゃそれこそ面白くねーよ』
『・・・・・・戦(や)らないんですか?』
黒い魔法陣がシエルの足元に広がった。
『この地域じゃ、力出せねーだろ。お前に有利過ぎるよ。いつまでも居座ってねーで次の地域に進めってんだ』
魔法陣の中央にシエルが入る。ゆらゆらとしたオーラが空間を歪ませていく。
『そん時は殺してやるからよ!』
薄くなって消えていく。これってよくある転位魔法だよな。
場に残されたのは、オレ達と暗黒の紋章達、それにモンスター群とシャーク。
この後、どうなるんだ一体?
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