勇者のスキル

5/15
974人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
ハンマーはとてもじゃないけど受けられない。魔導師から倒したいがサーベル男の邪魔が入る。 「泉アンタが、ハンマーとやりなさいよ」 『そろそろ第二段階に入るから無理だ。剣は使えねーんだ』 ――ありえないわ。 何を考えて生きてるの? しかし、手にしている剣の光は確かに増幅されていた。 「……修司並の脳ミソね」 『馬鹿野郎、勇者ってのは最後にかっこよく一気に決めるんだ』 男って皆バカなんじゃない? その考え方がダサいわ。 ――私が戦(や)るしかない。 ハンマーの一撃をかわしつつ、サーベル男から狙う。 グラネルに強い意志を込めると、青白い光が伸びていく。 「さぁ! 来なさいっ!」 前衛(ぜんえい)二人が同時に切り込んできた。 正面のハンマーを軽々回避し、サーベルの一撃を受ける。 『一人で来んのか! 舐めやがって!』 「文句なら後ろの口だけ勇者にいいなさいっ!」 受けたサーベルを押し返しながら上体を捻った。 そのまま回転し背後に回る。 ――隙だらけよ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!