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苛立つ修司が立ち上がる。
「どうすりゃいいんだ。オメーいつも偉そうにしてんだから、何か作戦ねーのか?」
ポルンの目がキラリ、とは光らなかったが、珍しく真面目な顔で答えた。
『戦いは避けられねーぞ。シャークの探索スキルは優秀だから逃げるのは不可能だな。
だから……いや、ダメか』
「アンタもったいぶってんじゃないわよ! 早く言いなさい」
恫喝(どうかつ)する美咲の横で、画面を見上げるように柚葉が哀願(あいがん)した。
「教えてポルンちゃん、お願いしますっ!」
『……ゆ、柚葉にお願いされちまったら仕方ねーな。
戦いは……避けられない。
そして、戦うなら五人でだ』
修司が割って入る。
「それじゃあ、作戦でもなんでもねーだろが!」
ポルンの作戦には続きがあった。
Fランクミッション【シャークの願い】あれを利用する。
理由はわからないが運営から強制的に参加させられているらしい。
そのミッション中はシャークの基礎能力が多少低下するとのこと。
そこを五人で叩く作戦。
無謀な賭けだ。勝てる確率が数%上がるだけ。
ずっと考え込んでいた哲二が口を開く。
「それしかないかな。でもあのミッションは人数制限が一人じゃないの?」
『誰か一人がチケットを破れば、ミッションが開始されシャークのもとへ転送される』
「シャークは最初から目の前にいるから転送されても五人で戦えるってわけか」
あの場所で?
オレ達はCランクまで上がったためギルドルームはかなり広くなったが戦うには狭すぎる。
仕方ないか……
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