Vs シャーク

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転送された先は…… 「なんだよ何も見えねーぞ!」 「まずい! 先に何か仕掛けられている」 転送されたギルドルームは黒い煙が充満していた。 煙を吸い込んだためか、鼻と喉に強い刺激を感じる。 ――毒か? 「窓よ! 窓を……」 美咲が叫ぶ。 ガランガランと何かにぶつかって物が落ちた音。 周りのパソコンからだろうか、複数になったポルンの叫ぶ声が聞こえてくる。 『シャーク待て! 今から"面白い"もん見せてやるぜ! 取り合えず【闇雲】を消すんだ』 『……。』 【縛植(ばくしょく)】発動 足元から何か紐のようなモノが巻きついてくる感覚がする。 【クリア・ブレス】発動。 一瞬で霧が晴れていき、代わりに白い蒸気が立ち込め始めた。 喉に走る痛みが消えていく。 姿を現したのは、椅子に座った赤い男。 深々とかぶった三角帽子が奇妙な恐怖を醸(かも)しだしている。 身体を動かそうとしたが、植物のツルに足元を固定されていて動くことができない。 『……なんですか? 面白いものって』 ギルドボックスにはオレが一番近い。既にポルンが打ち出してくれていたのか、取り出し口には一枚のチケットが入っていた。 どうにかして、あのチケットを取らないと。
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