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全てのパソコンの画面に映し出されているポルンがポーズを決めながら叫んだ。
『シャーク知ってるか? お前の目の前にいるエロ男、神田修司は、日本で最強の剣士だ!』
――ポルン?
『……面白くもなんともないですね』
『ゴスロリぽっい滝澤柚葉は、レア度★5の闇魔導師、お前の持っていないスキルを持っている』
『……★5など私には珍しくもないです』
必死に、シャークが興味を引くように説得しているのか。
『青眼鏡だ! 佐藤哲二の頭脳は、凍夜を超えている』
『うるさい女だけど、西条美咲は【ホワイト・シーカー】だ。結月の職業に届くかもしれないんだぞ』
一言多いのが気になるが。
それにしても結月さんの職業? それが美咲とどう関係があるんだ。
『……私には関係ありません』
『鷹山蓮は、蓮は、えーと……』
オマエ、そこで詰まるのかっ!
『……もういいです。終わりにしましょうか』
決めポーズを解いたトナカイは、前腕(足)を前に出し蹄を向けた。
『こいつ達(ら)五人に、キリが想いを託したんだ!
それを正面から受け止めなくちゃならねー義務がお前にはあるだろ!』
『……。』
『あの時の結果は、お前にも責任がある!いつまでも秘密を隠してんじゃねーよ』
『……ポルンさん貴方、何か知っているようですね。少し……面白くなってきましたか』
立ち上がったシャークが右手を降ろすと足元のツルが消えていく。
オレはすぐさま後ずさりして、ギルドボックスに近寄った。
『……それで? 如何(いか)なる理由があろうとも石盤は頂きますよ』
「シャークさん、なぜ石盤にこだわるのですか? 僕達に知られたら困ることがあるんですよね」
哲二が話し掛けている隙に素早くチケットを拾い破った。
オレの行動は気がつかれているのに……余裕からなのかシャークは動かない。
――ミッションが開始された。
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